膀胱癌とは

膀胱の尿路上皮(移行上皮)粘膜より発生する悪性腫瘍です

病理組織学的にはその90%以上が尿路上皮癌です。

尿路上皮癌にはその部位によって腎盂癌、尿管癌、膀胱癌がありますが、そのうちの95%が膀胱癌です。

膀胱の良性腫瘍として乳頭腫がありますが稀です。

 


 

疫学

50歳以上の方に好発し、6070歳に発生のピークがあります。

罹患率 : 7.6人(男13.5人 女2.9人)/10万人/

年齢調整罹患率 2002 日本

死亡率 : 2.2人(男3.9人 女1.0人)/10万人/

年齢調整死亡率 2005年 日本

危険因子

1)喫煙

最も重要な膀胱の発癌因子です。

非喫煙者に比して4の発症リスク、巨大化・多発・高異型度の傾向、発症年齢の若年化(5~6年)があります。

2)職業性発癌物質への暴露

芳香族アミン類(ベンチジン、2-ナフチラミンなど)を含む合成化学塗料を取り扱う労働者(ゴム工業、皮革工業など)に多く発生する可能性が言われています。

また、職業性膀胱癌の特徴として、若年発症、high gradehigh stage上部尿路再発リスクが高いなどがあります。

臨床的特徴

空間的、時間的多発性

診断時にすでに多発していることも多いです。

腎盂・尿管・前立腺部尿道といった他の尿路にも腫瘍の存在の可能性があります。

内視鏡下での可視病変の完全切除後にも再発が多いです。

症状

l血尿

初期症状の7080%と最も多く、大部分は無症候性(自覚症状がない)です。

無症候性肉眼的血尿の1328%が膀胱癌と診断されます。

一方、顕微鏡的血尿では0.46.8%と頻度は高くありませが、50歳以上では注意が必要です。

l膀胱刺激症状(頻尿、排尿時痛、残尿感

筋層浸潤癌、上皮内癌で認めることが多いです。

難治性膀胱炎様症状を認めた場合、膀胱癌を鑑別にあげる必要があります。

lその他

尿管の閉塞をきたした場合、腰背部痛や発熱、腎不全(両側閉塞の場合)が起こりえます。

凝血塊による尿閉(尿が出せない)を起こす可能性もあります。

診断

膀胱癌診断フローチャート
膀胱癌診断フローチャート

原則的に上記のフローチャートに沿って診療を行っております。

超音波画像

膀胱鏡画像



経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-BT)

確定診断と治療を兼ねて、ほぼ全例に施行されます。

膀胱癌の病期分類

癌の深さリンパ節転移遠隔転移の3つの項目で膀胱癌の病期(どこまで癌が進んでいるか)を判定します。

治療

病期によって治療が異なってきます。

各病期、そして患者さまの状態や希望も合わせて治療方針を決定します。

患者さまと一緒に相談しながら、患者さま毎に最適な治療方法を決めていきます。